カテゴリー別アーカイブ: 少年事件の事例

少年犯罪の時効は成人の場合と同じなのか?

警視庁のデータによると、近年は少年犯罪が減少傾向にあるとのことです。しかし、テレビを見ると凶悪な少年犯罪は後を絶たず、最近はインターネットを利用した非行も目立ちます。私にも小学生の子供がいるので、決して他人事ではありません。

また、犯罪方法も時代と共に多様化しており、手口も巧妙になってきているように思います。

もちろん、日本の警察の検挙率の高さは世界でもトップクラスなので、あらゆる犯罪は裁かれる運命にあると思いますが、きっと蔵入りというケースもあるのではないでしょうか。

事件が解決されず迷宮入りしたあと、一定の時間が経過すれば時効が成立しますが、少年犯罪の場合でも時効はあるのか…ふと疑問に思ったので調べてみました。

1.少年犯罪と時効の関係

刑事訴訟法の公訴時効を調べたところ、時効の適用については成人も少年も変わらないそうです。少年が犯行後の逃亡期間中に成人しても、時効に対しては特に影響はありません。

しかし、少年が犯罪を犯したときには少年院に行き、成人の場合は刑務所に行く訳で、有罪が確定したあとの行き先はそれぞれ違います。仮に少年が犯罪を犯して、逮捕されたのが成人後であった場合の扱いはどうなるのでしょうか。

例えば17歳のときに万引きをした少年が、20歳のときに発覚して捕まったケースで考えてみましょう。万引きには常習性があり罪はかなり重いと仮定します。

時効の発生は犯罪行為が終わったときから進行し、窃盗の時効は7年なので、20歳で逮捕されればまだ時効はきていきません。この場合、17歳の事件発生時点で捕まっていれば、家庭裁判所で裁かれ少年院や少年鑑別所に送られることになります。しかし20歳の時点で発覚すれば、少年法の適用ではなくなるため、刑罰を科せられる可能性が生じます。

また死刑にあたる犯罪の殺人事件などに関しては時効が撤廃されたので、犯罪を犯したのが何歳であっても時効はありません。ただし、刑罰については、18歳未満であれば緩和規定により、死刑の犯罪は無期懲役になります。もし仮に20歳以降に逮捕されたとしても、犯罪時の年齢が18歳未満であれば、死刑の緩和を適用され無期懲役になります。

また民事賠償についても公訴時効は成人と同じで、加害者を知ったときから3年、もしくは不法行為から20年が時効とされています(民法 724 条) 。

2.まとめ

少年が犯罪を犯したときの時効については成人と全く同じです。ただし成人後に捕まったとしたら、
少年法の適用を受けることはなくなります。有罪となり刑罰を科せられれば、成人後に犯罪を犯した人と同様に刑務所に入ることになります。

少年だからと言って時効も短くなるということではないので、そうした情報がもっと広まれば、少年に対する犯罪抑止力の一助になるのではないかと思います。

神戸連続児童殺傷事件から20年!少年Aが少年犯罪に残したもの

1997年に発生した「神戸連続児童殺傷事件」から、今年で20年になります。自らを「酒鬼薔薇聖斗」と名乗った少年A。

神戸新聞社に送り付けた犯行声明文には、「ボクがわざわざ世間の注目を集めたのは、今までも、そしてこれからも透明な存在であり続けるボクを、せめてあなた達の空想の中でだけでも実在の人間として認めて頂きたいのである」との内容が。

実は、小学生の子供を持つ私と少年Aは同年代なのです。

少年法改正と厳罰化へ

家庭裁判所調査官として30年以上も少年事件に携わってきた浅川道雄氏は、「神戸事件は日本における新しい少年事件の走り」だと述べています。性的虐待を長年受けていた娘が、父親・義父を殺害した。非行前歴が積み重なったあげく、少年が殺人を犯した。これらの事件は担当したものの、非行歴がない少年による計画的犯行は経験がないと、浅川氏は言います。

少年犯罪は成人とは違い、少年法の元で裁かれます。

成人に適用される「刑法」と少年に適用される「少年法」とでは、その趣旨が異なっています。「刑法」は犯罪加害者に刑罰を科し罪を償わせるのが目的ですが、「少年法」では少年犯罪の加害者には保護処分を行ない少年の更生が目的です。
【参考】少年法と刑法の違い

一方、青少年の健全な保護育成を図ることを目的とした青少年保護育成条例というものがあり、これは、各地方公共団体が定める条例の総称です。

青少年保護育成条例の規制の内容は、

  1. 青少年の深夜外出の制限
  2. 深夜営業施設への立ち入り制限
  3. 有害図書販売の禁止
  4. 有害がん具(大人のおもちゃやバタフライナイフ等)の販売禁止
  5. 青少年が着用した下着の買受の禁止
  6. 青少年とのみだらな性行為(一般に淫行といいます)の禁止等

があげられます。(参照元:青少年保護育成条例とは

少年法は、制定以来、長きにわたって改正されてこなかった少年法。神戸連続児童殺傷事件をきっかけに、2000年に初めて改正されました。
【参考】少年法改正の流れとは!?2000年・2007年改正のポイント

平成12年の改正は、刑事処分可能な年齢を16歳以上から14歳以上に引き下げるという内容でした。

しかし 2000年改正から15年間に、14・15歳少年が刑事処分相当として家庭裁判所から検察官へ送致されたのは17人にすぎない、という調査結果がでました。16歳未満の少年には、少年の更生・教育に比重を置く「少年法」の精神が引き継がれたのです。

元少年A・酒鬼薔薇聖斗に憧れる少年犯罪加害者

神戸連続児童殺傷事件は世の中に衝撃を与えました。少年Aは後の少年犯罪加害者に、大きな影響力を持ったのです。2000年の西鉄バスジャック事件の加害少年は、酒鬼薔薇聖斗を崇拝。また最近では、2014年の名古屋大学女子学生殺人事件の元女子学生も、自らのtwitterに酒鬼薔薇聖斗への憧れを投稿していました。

1999年には、「西尾市女子高生ストーカー殺人事件」が発生しました。当時17歳の少年が女子高校生に執拗なストーカー行為を繰り返し、殺害に及んだ事件。この加害者は不定期刑の満期10年で服役した後、出所後30歳の時に再犯をしています。

この加害少年は、「神戸事件の犯人・酒鬼薔薇聖斗が中三であそこまでやれると尊敬し、近づきたいと思った」と検察官の取り調べに答えたそう。さらに、少年法により無期懲役や死刑にはならないことを知っていたのです。

まとめ

元少年Aは2015年、「絶歌」という手記を出版。被害者ご遺族の感情を踏みにじるものでした。

「絶歌」の初版は10万部を売り上げたのです。酒鬼薔薇聖斗に憧れた少年たちが後に凶悪犯罪を引き起こしたように、「絶歌」がさらなる少年犯罪の呼び水にならないよう願いたいです。

「少年法」は加害者に甘く、犯罪被害者と遺族に厳しい。加害者のプライバシーは守られるが、被害者のプライバシーは守られない。どこか間違っていると感じます。

小学生の子供を持つ親としてそう思いました。

少年犯罪で発達障害と報道!?少年法で刑事責任は問えるのか?


少年犯罪の報道をテレビで見ていると、発達障害という言葉がでてきます。神戸連続児童殺傷事件や佐世保同級生殺害事件など、親として信じられないような凶悪事件の犯人たち。この少年犯罪の加害者に、発達障害との診断がなされているのです。

今回はうちの子が被害に遭ったらという視点だけではなく、加害者にならないよう親はどうしたらよいか、という点も踏み込んでみたいと思います。

発達障害の特徴は?アスペルガー症候群は犯罪率が高い?

広汎性発達障害を知っていますか?広汎性発達障害とは、対人関係に障害が現れる発達障害の総称。広汎性発達障害にはアスペルガー症候群や高機能自閉症などがありますが、衝動性・こだわりの強さ・コミュニケーションが苦手といった特徴があります。

なかでもアスペルガー症候群の子供は、特定のものごとに極端な関心を示したり、人の感情への共感性に乏しかったりといった行動特性を持っています。実は、1997年の神戸連続児童殺傷事件を皮切りに、少年犯罪の加害者がアスペルガー症候群と診断されたケースが多いのです。

2000年の豊川市主婦殺人事件・西鉄バスジャック事件、2003年の長崎男児誘拐殺人事件、2004年の佐世保小6女児同級生殺害事件、2005年の静岡女子高生タリウム毒殺未遂事件、2009年の大阪富田林市男子高校生殺害事件、2014年の佐世保女子高生殺害事件・名古屋大学女子学生殺人事件では、いずれも加害者少年はアスペルガー症候群とされています。

【参考】神戸連続児童殺傷事件から20年!少年Aが少年犯罪に残したもの

名古屋大学女子学生殺人事件の判決は?

2014年には、名古屋大学女子学生殺人事件が起きました。知人の70代女性を、女子学生が自宅アパートで殺害した少年犯罪。高校時代には地元の仙台市で、同級生2人に硫酸タリウムを飲ませています。

元名古屋大学生の殺人・殺人未遂などの罪状に対し、2017年3月24日に名古屋地方裁判所は求刑通り無期懲役の判決を言い渡しました。この裁判では検察側と弁護側の2人の医師が、元名大生に「発達障害と双極性障害」があると診断。人への共感性の欠如と「人の死」への強いこだわりを指摘しました。

この裁判の最大の争点は、「責任能力の有無」です。検察側と弁護側の医師では、精神障害の程度に差がでました。山田耕司裁判長は検察側証人の鑑定を重視。元名大生は自分の意思で犯行を実行したとして、「完全責任能力」を認定しました。

まとめ

ニュースで世間を震撼させた、少年犯罪事件の加害者の多くが発達障害だったというのは驚きです。小学生の子を持つ親の立場として、子供が加害者になりはしないかという心配が。落ち着きがない、人と違った行動をするなど気になる点があれば、専門機関に相談するとよいと思います。

神戸連続児童殺傷事件や佐世保女子高生殺害事件では、加害少年が事件の前、猫を殺して解剖していたとか。こういった予兆に大人が気づけるよう、家族や地域での見守りも必要でしょう。親の無関心や地域社会の希薄さも、事件の引き金になっている気がしました。

SNSが少年犯罪を見えにくくする?LINEで子供がネットいじめに


今やネットが当たり前の世の中となり、スマホ所有率も増えました。中学生でも半数の子がスマホを持っている時代。LINEやtwitterなどのSNSでは、簡単に人と繋がることが可能です。

うちの子はまだ小学生ですが、スマホを持たせるべきか悩んでしまいます。凶悪な少年犯罪でも、LINEがきっかけとなったからです。

川崎市中1男子生徒殺害事件の犯人が使ったLINE

2015年に、川崎市で中学1年生の男子生徒が殺害される事件が起きました。被害者の少年は13歳。加害者は18歳の少年1人と17歳の少年2人で、その殺害方法は残虐極まりないもの。少年法が4回改正された後の犯行に、世間はやり場のない怒りを覚えました。

事件後2016年2月2日、横浜地方裁判所の初公判では、殺人・傷害の罪に問われた主犯格の19歳少年に「懲役9~13年の不定期刑」、傷害致死罪に問われた18歳の無職の少年に「懲役4~6年6ヶ月の不定期刑」が確定。6月3日の横浜地裁第2回公判では、傷害致死罪に問われた19歳の元職人の少年に「懲役6~10年の不定期刑」が言い渡されました。

13歳少年の暴行のきっかけは、「LINEの返事が遅い」というもの。被害少年は加害少年らとLINEで繋がっていました。殺害の数日前には、「殺されるかもしれない」と同級生の女子生徒にLINEを。「不良グループから抜けたいと言ったら暴力が激しくなった」。被害者の少年は、友人にLINEでSOSを送っていたのです。

【参考】少年法61条で実名報道を防げるか?ネット私刑とプライバシー

LINEのいじめで自殺者が!ネットいじめの対策はあるのか?

少年犯罪というと、なにも凶悪事件だけではありません。近年増えているのが、SNSによるいじめ。少し前には、「学校裏サイト」という匿名掲示板でのいじめが問題化しました。スマホの爆発的な普及によって、最近ではLINEによるいじめが頻発しています。

2013年には熊本、2014年には青森で、いずれも女子高生がLINEによるいじめが原因で自殺。中高生の間ではLINEによる交流は日常的になっていて、些細な書き込みがきっかけでいじめが始まります。急速なITデバイスの発達に、親や学校関係者も追いつけないのが現状です。

川崎市中1男子生徒殺害事件も、「LINEの返信が遅い」ことが暴行の引き金でした。犯罪には関係ない友達同士の会話でも、LINEで返信しないことに不安を覚える中高生は多いようです。

LINEのグループトーク」は、子供同士の秘密の場所。LINEでのトークは短文が主。スタンプのやり取りもあります。返信を怠ると、「既読スルー」と受け取られていじめの対象になり、人と深く付き合うのが怖くなってしまうのです。

まとめ

30代の私たちが中高生の頃、ネットは今ほど盛んではなかった気がします。スマホも一般的ではありませんでした。今の子供たちの交友関係は、正直なとこ大人には見えにくいです。些細な書き込みがきっかけで、いじめや犯罪に繋がるLINE。

親として子供を孤立させない、ネットに依存させ過ぎない。そのためには、家庭内だけでなく地域との付き合いを大切にする必要があると感じました。