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少年犯罪でも、成人と同じように賠償請求できるのか?

少年犯罪の報道を見ていると、ふと疑問に思うことがあります。成人であれば、罪を犯せば民事で損害賠償請求をすることができます。しかし、加害者が未成年であった場合、はどうなのでしょうか。

少年は仕事をしていないので経済力はありません。少年院や刑務所に行けば尚更賠償をすることは出来なくなります。果たして罪を犯したからと言って、成人と同じように損害賠償請求ができるのか…今回はその点について調べてみました。

1.少年犯罪と損害賠償請求の関係は?

少年犯罪の損害賠償について過去のケースを見ると、★損害賠償請求することは可能☆とのことです。しかし、責任能力を持たない未成年が第三者に対して損害を与えたときには、本人に損害賠償責任はないとのことです(民法712条) 。しかし、親権者には監督責任があるので、責任能力のない未成年が犯罪を犯したときには、親が損害賠償責任を負わなくてはならないようです(民法714条1項) 。

責任能力がない年齢というのは、大体12歳くらいまでとのことで、★13歳以上☆の子供の犯罪の場合は★原則本人に賠償責任☆が発生するとのことです。

うちの子供はまだ小学生なので、子供が他所の人にご迷惑をかけた場合は私に賠償責任が発生することになりますね。

しかし、これもケースバイケースらしく、13歳以上の子供の犯罪でも親が監督責任を果たすべきときに怠っていれば、親子共々損害賠償責任が発生するようです。

ただ、13歳以上は本人に賠償責任があると言っても、中学生や高校生では収入がないので、親が子供に代わって賠償金を支払っているケースが殆どとのことです。

2.少年犯罪の加害者が損害賠償金を支払わないケースが続出

次に損害賠償の支払いはきちんとされているのか…その点についても調べてみました。すると、加害者が判決通りに滞りなく賠償をしていないケースが沢山あることが分かったのです。

少年事件で未だ賠償金が支払われていない事件として有名なのは「山形マット死事件」です。これは平成5年に、山形の中学1年生がマットの中で窒息死した事件で、山形県警は傷害および監禁致死の疑いで当時の同じ学校の14歳の生徒3名を逮捕、13歳の生徒4名を補導しました。

その後、民事訴訟では仙台高裁で損害賠償計約5,760万円が確定し、それぞれに賠償命令が下りました。しかし、 事件後10年経過しても任意の支払いに応じた元生徒はいないとのことです。

賠償金の請求は10年で時効を迎えるため、時効を中断させるために元生徒4人に対し、差し押さえ手続きに入りました。また行方が分からない元生徒3人に対しても、損害賠償請求権の時効を中断する提訴に入っています。

加害者から賠償金が支払われないと、被害者が私費で提訴しなければならず、賠償金の額が大きいほど裁判費用も高くなるので、被害者の負担は決して小さくありません。

3.少年犯罪「国が賠償金を立て替える制度を」と呼びかけ

こうした現実を前に「少年犯罪被害当事者の会」では、賠償金を支払わない加害者に代わって国が賠償金を立て替えて遺族に支払い、国が加害者に請求するシステムを作ってほしいと呼びかけています。

4.まとめ

少年犯罪でも損害賠償をする責任はありますが、実際に賠償金が支払われていないケースもあることが分かりました。被害者は犯罪被害に加え、賠償金が未払いだと二重の苦しみを味わうことになります。一日も早く国による賠償金の立替払いが実現することを願ってやみません。

少年犯罪の時効は成人の場合と同じなのか?

警視庁のデータによると、近年は少年犯罪が減少傾向にあるとのことです。しかし、テレビを見ると凶悪な少年犯罪は後を絶たず、最近はインターネットを利用した非行も目立ちます。私にも小学生の子供がいるので、決して他人事ではありません。

また、犯罪方法も時代と共に多様化しており、手口も巧妙になってきているように思います。

もちろん、日本の警察の検挙率の高さは世界でもトップクラスなので、あらゆる犯罪は裁かれる運命にあると思いますが、きっと蔵入りというケースもあるのではないでしょうか。

事件が解決されず迷宮入りしたあと、一定の時間が経過すれば時効が成立しますが、少年犯罪の場合でも時効はあるのか…ふと疑問に思ったので調べてみました。

1.少年犯罪と時効の関係

刑事訴訟法の公訴時効を調べたところ、時効の適用については成人も少年も変わらないそうです。少年が犯行後の逃亡期間中に成人しても、時効に対しては特に影響はありません。

しかし、少年が犯罪を犯したときには少年院に行き、成人の場合は刑務所に行く訳で、有罪が確定したあとの行き先はそれぞれ違います。仮に少年が犯罪を犯して、逮捕されたのが成人後であった場合の扱いはどうなるのでしょうか。

例えば17歳のときに万引きをした少年が、20歳のときに発覚して捕まったケースで考えてみましょう。万引きには常習性があり罪はかなり重いと仮定します。

時効の発生は犯罪行為が終わったときから進行し、窃盗の時効は7年なので、20歳で逮捕されればまだ時効はきていきません。この場合、17歳の事件発生時点で捕まっていれば、家庭裁判所で裁かれ少年院や少年鑑別所に送られることになります。しかし20歳の時点で発覚すれば、少年法の適用ではなくなるため、刑罰を科せられる可能性が生じます。

また死刑にあたる犯罪の殺人事件などに関しては時効が撤廃されたので、犯罪を犯したのが何歳であっても時効はありません。ただし、刑罰については、18歳未満であれば緩和規定により、死刑の犯罪は無期懲役になります。もし仮に20歳以降に逮捕されたとしても、犯罪時の年齢が18歳未満であれば、死刑の緩和を適用され無期懲役になります。

また民事賠償についても公訴時効は成人と同じで、加害者を知ったときから3年、もしくは不法行為から20年が時効とされています(民法 724 条) 。

2.まとめ

少年が犯罪を犯したときの時効については成人と全く同じです。ただし成人後に捕まったとしたら、
少年法の適用を受けることはなくなります。有罪となり刑罰を科せられれば、成人後に犯罪を犯した人と同様に刑務所に入ることになります。

少年だからと言って時効も短くなるということではないので、そうした情報がもっと広まれば、少年に対する犯罪抑止力の一助になるのではないかと思います。

神戸連続児童殺傷事件から20年!少年Aが少年犯罪に残したもの

1997年に発生した「神戸連続児童殺傷事件」から、今年で20年になります。自らを「酒鬼薔薇聖斗」と名乗った少年A。

神戸新聞社に送り付けた犯行声明文には、「ボクがわざわざ世間の注目を集めたのは、今までも、そしてこれからも透明な存在であり続けるボクを、せめてあなた達の空想の中でだけでも実在の人間として認めて頂きたいのである」との内容が。

実は、小学生の子供を持つ私と少年Aは同年代なのです。

少年法改正と厳罰化へ

家庭裁判所調査官として30年以上も少年事件に携わってきた浅川道雄氏は、「神戸事件は日本における新しい少年事件の走り」だと述べています。性的虐待を長年受けていた娘が、父親・義父を殺害した。非行前歴が積み重なったあげく、少年が殺人を犯した。これらの事件は担当したものの、非行歴がない少年による計画的犯行は経験がないと、浅川氏は言います。

少年犯罪は成人とは違い、少年法の元で裁かれます。

成人に適用される「刑法」と少年に適用される「少年法」とでは、その趣旨が異なっています。「刑法」は犯罪加害者に刑罰を科し罪を償わせるのが目的ですが、「少年法」では少年犯罪の加害者には保護処分を行ない少年の更生が目的です。
【参考】少年法と刑法の違い

一方、青少年の健全な保護育成を図ることを目的とした青少年保護育成条例というものがあり、これは、各地方公共団体が定める条例の総称です。

青少年保護育成条例の規制の内容は、

  1. 青少年の深夜外出の制限
  2. 深夜営業施設への立ち入り制限
  3. 有害図書販売の禁止
  4. 有害がん具(大人のおもちゃやバタフライナイフ等)の販売禁止
  5. 青少年が着用した下着の買受の禁止
  6. 青少年とのみだらな性行為(一般に淫行といいます)の禁止等

があげられます。(参照元:青少年保護育成条例とは

少年法は、制定以来、長きにわたって改正されてこなかった少年法。神戸連続児童殺傷事件をきっかけに、2000年に初めて改正されました。
【参考】少年法改正の流れとは!?2000年・2007年改正のポイント

平成12年の改正は、刑事処分可能な年齢を16歳以上から14歳以上に引き下げるという内容でした。

しかし 2000年改正から15年間に、14・15歳少年が刑事処分相当として家庭裁判所から検察官へ送致されたのは17人にすぎない、という調査結果がでました。16歳未満の少年には、少年の更生・教育に比重を置く「少年法」の精神が引き継がれたのです。

元少年A・酒鬼薔薇聖斗に憧れる少年犯罪加害者

神戸連続児童殺傷事件は世の中に衝撃を与えました。少年Aは後の少年犯罪加害者に、大きな影響力を持ったのです。2000年の西鉄バスジャック事件の加害少年は、酒鬼薔薇聖斗を崇拝。また最近では、2014年の名古屋大学女子学生殺人事件の元女子学生も、自らのtwitterに酒鬼薔薇聖斗への憧れを投稿していました。

1999年には、「西尾市女子高生ストーカー殺人事件」が発生しました。当時17歳の少年が女子高校生に執拗なストーカー行為を繰り返し、殺害に及んだ事件。この加害者は不定期刑の満期10年で服役した後、出所後30歳の時に再犯をしています。

この加害少年は、「神戸事件の犯人・酒鬼薔薇聖斗が中三であそこまでやれると尊敬し、近づきたいと思った」と検察官の取り調べに答えたそう。さらに、少年法により無期懲役や死刑にはならないことを知っていたのです。

まとめ

元少年Aは2015年、「絶歌」という手記を出版。被害者ご遺族の感情を踏みにじるものでした。

「絶歌」の初版は10万部を売り上げたのです。酒鬼薔薇聖斗に憧れた少年たちが後に凶悪犯罪を引き起こしたように、「絶歌」がさらなる少年犯罪の呼び水にならないよう願いたいです。

「少年法」は加害者に甘く、犯罪被害者と遺族に厳しい。加害者のプライバシーは守られるが、被害者のプライバシーは守られない。どこか間違っていると感じます。

小学生の子供を持つ親としてそう思いました。

少年犯罪の実名報道にメリットはある?少年法61条と表現の自由

少年犯罪のニュースを見る時、いつも疑問に思うことがあります。被害者側の情報は詳細に報道されるのに、加害者側は匿名性が保たれる点。残忍な凶悪事件でも、加害者が少年だという理由で保護されるのは納得できません。うちの子が犯罪に巻き込まれはしないかと、親なら心配になるでしょう。少年犯罪の実名報道に賛成ですか?それとも反対ですか?

川崎市中1殺害事件の実名報道

2015年に川崎市の中学1年生・上村遼太さんが殺害された事件。首を刃物で斬りつけられる残忍な犯行で、遺体は多摩川河川敷で発見されました。加害者は主犯格の18歳少年と17歳少年2人でした。

少年犯罪の場合、少年法61条の規定により実名報道が規制されています。

【第61条】家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない

しかし、「週刊新潮」は18歳加害少年の実名と顔写真を公表。加害少年のあまりに身勝手な犯行動機や残忍極まる手口について実名報道し、世に問うたのです。少年犯罪報道については1958年に報道協定ができて以来、その匿名性が担保されてきました。川崎市中1男子生徒殺害事件で実名報道に踏み切った「週刊新潮」は、記者クラブに加盟していないのです。

少年法61条に関する判例

記者クラブに加盟していない週刊誌では、「週刊文春」が1989年に発生した女子高校生監禁殺人事件を実名報道。実名で報道された加害者側は、出版社に対し少年法61条で保護されている権利を侵害されたとして損害賠償請求の訴えを提訴できます。表現の自由とプライバシーの侵害との兼ね合いについては、過去に判例が出されています。

1998年の堺市通り魔殺傷事件で、「新潮45」が当時19歳の加害少年の実名報道をしました。加害者側は版元とライターを提訴。これに対し2000年2月29日、大阪高等裁判所第9民事部は「表現行為が社会の正当な関心事であり、表現内容や方法が不当でない場合、違法性を欠き、違法なプライバシー権等の侵害とはならない」と判断。さらに少年法61条に関して「同条が少年時に罪を犯した少年に対し実名で報道されない権利を付与していると解することはできない」としました。

【参考】少年法61条で実名報道を防げるか?ネット私刑とプライバシー

まとめ

少年による凶悪犯罪は「少年法61条」によって実名報道されない。少年の更生を第1とし、市民の安全は脅かされているのです。アメリカやイギリスなどでは、重大事件を起こした少年について、原則実名報道がなされます。社会公益性を何より重要視しているためです。

小学生の子供を持つ親としては、凶悪犯罪者は成人だろうと未成年だろうと、データベース化してほしいと思います。憲法21条は「国民の知る権利」を規定しているのですから。

少年法61条で実名報道を防げるか?ネット私刑とプライバシー

少年法61条の規定が少年加害者の実名報道を禁止しています。一部週刊誌などが加害少年の実名・顔写真を掲載したものの、おおむねテレビなどのメディアでは未成年者の実名は公表されていません。しかし、インターネットの普及により、少年法61条は形骸化しているのが実態。少年法は時代の変化に対応しているのでしょうか?

ネット私刑と川崎市中1殺害事件

2015年に起きた川崎市中1男子生徒殺害事件では、当時18歳の加害少年の情報がインターネット上に晒される事態が。加害少年のネット動画が拡散され、少年の自宅前の様子や親族などが映し出されました。これについて東京弁護士会は「インターネットも少年法61条の『新聞その他の出版物』と同視できる」としています。

過去には「新潮45」が加害者側から提訴された事例がありました。しかし、インターネットでのtwitterや掲示板での拡散力は凄まじく、プロバイダーや書き込みをした個人を特定するのは難しいのが現状。このようなネット社会では、犯罪発生のごく早い時期に少年犯罪加害者の名前や顔写真が出回ります。少年法61条に基づきメディアの実名報道を規制するのは、もはや時代遅れかもしれません。

【参考】少年犯罪の実名報道にメリットはある?少年法61条と表現の自由

ネットの書き込みによる名誉毀損の判例

ネットユーザーが少年犯罪加害者の個人情報をネット上に書き込む行為ですが、その特定した個人が犯罪加害者でなかったら、名誉毀損罪は成立してしまいます。また、加害者の家族を晒す行為も、プライバシーの侵害に当たる場合が。

名誉毀損罪【刑法230条】
「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する」

さらに、掲示板に書き込まれた情報を第三者がコピペして拡散した場合ですが、コピペが違法であるとした判例があります。東京高等裁判所における平成25年9月6日判決は「2ちゃんねるにおいて、情報を広範囲に広め社会的評価をより低下させた」として転載記事の名誉毀損を認定しました。正義感にかられた安易な投稿は、立派な犯罪となり得るのです。

ただし、刑法230条の2に例外規定があります。

  1.  公共の利害に関する事実
  2.  表現することに公益目的がある
  3.  記載内容が真実である

これらの場合には、名誉毀損には当たらないのです。
また、刑法230条の2の規定は成人か未成年かを区別していません。いずれにせよ、ネット私刑という制裁は罪に問われる可能性があり、犯罪被害者ご遺族にとっても迷惑だと言えるでしょう。

まとめ

私たち30代主婦には、ネットは必須アイテムとなっています。加害少年の更生を第1とし被害者ご遺族への保護が甘い少年法には疑問を感じていますが、ネットでの書き込みはついしてしまいがちです。今回の少年法61条とネットでの拡散について、色々と考えさせられました。

少年法と刑法とでは刑罰に違いがあるの?刑法41条の壁は!?

少年による凶悪犯罪が多発しています。加害者だけでなく、被害者も少年や小さな子供の場合があり、子を持つ親としてはやり切れない思いがします。殺人事件で子供さんを亡くした犯罪被害者のご遺族にとって、加害者が少年だろうが成人だろうが、ちゃんと罪を償ってほしいと願うもの。

そこで、少年法と刑法とでは、刑罰などどのような違いがあるのか調べてみました。

少年法と刑法の関係は?少年犯罪の罪は軽いか!?

成人に適用される「刑法」と少年に適用される「少年法」とでは、その趣旨が異なっています。「刑法」は犯罪加害者に刑罰を科し罪を償わせるのが目的ですが、「少年法」では少年犯罪の加害者には保護処分を行ない少年の更生が目的です。また裁判は、成人には公開の法廷による裁判が課されますが、少年には家庭裁判所による非公開の審判という形式が取られています。

刑法第41条の「14歳に満たない者の行為は、罰しない」という規定も、少年犯罪に影響を与えています。10歳から13歳までの子供が殺人事件を犯した場合でも、14歳に満たないため刑事責任能力がないと判断され刑罰を科されないのです。しかし、2007年の少年法改正によって、「おおむね12歳以上」であるならば、少年院送致は可能になりました。

さらに、2000年の少年法改正で、刑事処分可能な年齢が16歳以上から14歳以上に引き下げられました。14歳以上の少年には、刑事責任が問われることになったのです。また、被害者を故意の犯罪行為により死亡させた16歳以上の少年は、検察官に送致するのが原則になっています。

少年犯罪の罪が軽いのではないか?という世論の声があります。少年法51条の規定によると、「罪を犯すとき18歳に満たない者に対しては、死刑をもつて処断すべきときは無期刑を科する(1項)」「罪を犯すとき18歳に満たない者に対しては、無期刑をもつて処断すべきときであっても、有期の懲役又は禁錮を科することができる(2項)」とあ.り、成人加害者よりも一段刑が軽くなっているのです。

【参考】少年法改正の流れとは!?2000年・2007年改正のポイント

過去の少年犯罪の刑罰は?具体的な事例

2003年「長崎男児誘拐殺人事件」の加害少年は中学1年で、児童自立支援施設への収容
2004年「佐世保小6女児同級生殺害事件」の加害少年は小学6年で、児童自立支援施設送致
1997年「神戸連続児童殺傷事件」の加害少年は14歳で、医療少年院送致
2000年「豊川市主婦殺人事件」の加害少年は17歳で、 医療少年院送付の保護処分
2014年「佐世保女子高生殺害事件」の加害少年は高校1年で、 医療少年院送致の保護処分
2014年「名古屋大学女子学生殺人事件」の加害少年は19歳の女子学生で、 無期懲役
2015年「川崎市中1男子生徒殺害事件」の主犯格の少年は18歳で、懲役9年以上13年以下の不定期刑
1999年「光市母子殺害事件」の加害少年は18歳で、死刑。
2010年「石巻3人殺傷事件」の主犯格の少年は18歳で、死刑。

まとめ

過去の犯罪事例を見ると、やはり「少年法」に守られているなと感じました。凶悪犯罪は刑法に準じ、軽微な犯罪と分けるのが妥当だと思います。

少年犯罪で保護観察中の再犯率が増加!保護司の高齢化が問題に

少年は成人に比べ、刑事事件を起こしても刑期が短いです。しかも、少年法で保護されているため、家庭裁判所が主に関与。未成年の刑法犯罪では、家庭裁判所に送られて「保護観察」になるケースが全体の4分の3を占めています。

ところが最近、保護観察中の少年の再犯率が増えているのです。どこに問題点があるのか、調べてみました。

少年犯罪の再犯事例は?凶悪殺人事件も

2010年の「石巻3人殺傷事件」、2015年の「川崎市中1男子生徒殺害事件」は、加害少年が保護観察中に起きた少年犯罪。石巻の事件では、主犯格の当時18歳の少年が元交際相手の親族・知人ら3人を死傷させ、少年には死刑が確定しました。また、川崎市中1男子生徒殺害事件では、主犯格の18歳の少年と17歳の少年2人が、13歳の少年に暴行を加え殺害。主犯格の少年には9年から13年の不定期刑が確定しています。

保護観察」とは、犯罪を行った成人及び少年が更生できるよう、保護観察官と保護司により指導・支援を行う制度。平成25年には85,000人(成人を含む)が保護処分を受けており、家庭裁判所から保護観察処分を受けた「保護観察処分少年」は約41,000人、家庭裁判所から少年院送致となり、その後少年院から仮退院となった「少年院仮退院者」は約8,000人となっています。

さらに、警察庁の平成24年度「少年非行情勢」によると、少年の再犯者率は33.9%で年々増加しており、少年の再犯者の人口比は成人の3.1倍に。少年法改正による厳罰化も、あまり意味がないようです。

保護観察所の保護司の問題点は?

保護観察は更生保護法48に基づいており、保護観察中の取り決めは、更生保護法50に規定されています。保護観察中の少年に接するのは、保護観察官と保護司。保護観察官は全国に1,000人程しかいないので、日常的に地域で指導を行うのが保護司なのです。保護司は実質的にはボランティアで、元校長や会社経営者など地域の名誉職的側面がありました。
近年、保護司の高齢化と人材不足が深刻な問題に。2016年の調査では、保護司の年齢は70歳以上が28.4%、60歳~69歳が51.7%と、8割が60歳以上となっています 。また、保護司の知名度不足や、仕事から受けるストレスなどにより、なかなか人材が集まりません。2016年6月に導入された「刑の一部執行猶予制度」により、保護司確保が急務。少年犯罪の多い都市部ほど、人材不足が深刻です。

さらに問題なのが、非行少年の質的変化です。昔の不良少年はグループ化し、繁華街やコンビニの前などにたむろしていました。しかし現在は、少年がLINEなどのSNSで繋がるようになり、地域の見守りを担当していた保護司にも、その動向が分かりにくくなっているのです。LINEでは新しい仲間がすぐにでき、少年の行動範囲も地域に留まらなくなっています。

【参考】SNSが少年犯罪を見えにくくする?LINEで子供がネットいじめに

まとめ

保護司さんのことは、今まで詳しくは知りませんでした。そういえば近頃、暴走族を見かけなくなりましたね。少年犯罪にもLINEなどSNSが影響していると分かり、子供の世界も変わったなと思いました。

少年法年齢引き下げの賛否は?18歳・19歳は子供なのか!?


少年法2条1項によれば、「少年法の対象となる『少年』とは、20歳に満たない者をいい」とあります。
今年2月に法制審議会において、20歳未満を18歳未満に引き下げる内容の本格的議論が始まりました。

少年犯罪も凶悪化していて、未成年だから刑を軽くするのはいかがなものか、と感じていました。子を持つ親として、少年法の適用年齢を引き下げる案には賛成です。

少年法年齢引き下げ賛成派の見解

まず、平成27(2015)年に、選挙権付与年齢を18歳以上に改正した “公職選挙法との兼ね合いです。選挙権という権利を得たからには、大人としての責任も果たさなくてはならない。少年法でだけ、未成年者を子供扱いするのは公平性を欠くというもの。ちなみに現行法では、民法の成年年齢は18歳になっていません。

次に、世論の動向を無視できない点です。国民の大半が、少年犯罪が凶悪化・増加していると感じており、少年法適用年齢の引き下げへの賛成が多数を占めています。平成27(2015)年に内閣府が行った調査結果によれば、78.6%の人が「5年前より少年による重大事件が増えている」と回答しています。

また、被害者遺族の感情への配慮も必要です。子供が凶悪犯罪で犠牲になった時、遺族側の心情として、犯人が成人であろうと少年であろうと相応の罪を償ってほしいと願うもの。少年法は加害者の保護・更生に重点を置いており、被害者の救済には繋がっていないのです。

さらに、諸外国において刑事事件で少年とされる年齢は、18歳未満が多く、国連の「児童の権利条約」でも18歳未満が子供と規定されています。

少年法年齢引き下げ反対派の見解

反対派の意見としては、世論調査では少年犯罪の凶悪化・増加を国民が感じているものの、むしろ少年犯罪が減少している事実 を挙げています。犯罪白書などによれば、刑事事件での少年の検挙数は、平成28(2016)年には31,516人(前年比19%減)で戦後最小であったこと。刑法犯の少年人口比は、平成22(2010)年から7年連続で減少していること。これらから、少年法の取り組みが正しいとしています。

次に、再犯防止の観点が挙げられます。18・19歳の少年に刑罰を与えるより、保護処分による教化が大事である。更生の機会を失えば、若者の再犯が増える。との点から、少年法の適用年齢引き下げに反対しています。

また、最近の少年は精神的に未熟であること。少年犯罪の背景に、発達障害や貧困などの社会問題があること。これらの理由で、少年法適用年齢を引き上げるべきとの意見もあるのです。

【参考】少年犯罪で発達障害と報道!?少年法で刑事責任は問えるのか?

さらに、現行法で対応可能な点を挙げています。平成12年(2000)年の改正では、少年法条2項で「検察官への逆送致」が導入。成人と同じ裁判の対象になります。少年法51条1項により18歳以上の少年には死刑があり得ることも、年齢引き下げに意味がない根拠としています。

【参考】少年法改正の流れとは!?2000年・2007年改正のポイント

まとめ

少年法年齢引き下げに反対しているのは、日弁連や最高裁などだそうです。加害者に甘く、被害者に厳しい。少年法は子を持つ親の立場からすれば、そう言わざるを得ません。

少年犯罪で発達障害と報道!?少年法で刑事責任は問えるのか?


少年犯罪の報道をテレビで見ていると、発達障害という言葉がでてきます。神戸連続児童殺傷事件や佐世保同級生殺害事件など、親として信じられないような凶悪事件の犯人たち。この少年犯罪の加害者に、発達障害との診断がなされているのです。

今回はうちの子が被害に遭ったらという視点だけではなく、加害者にならないよう親はどうしたらよいか、という点も踏み込んでみたいと思います。

発達障害の特徴は?アスペルガー症候群は犯罪率が高い?

広汎性発達障害を知っていますか?広汎性発達障害とは、対人関係に障害が現れる発達障害の総称。広汎性発達障害にはアスペルガー症候群や高機能自閉症などがありますが、衝動性・こだわりの強さ・コミュニケーションが苦手といった特徴があります。

なかでもアスペルガー症候群の子供は、特定のものごとに極端な関心を示したり、人の感情への共感性に乏しかったりといった行動特性を持っています。実は、1997年の神戸連続児童殺傷事件を皮切りに、少年犯罪の加害者がアスペルガー症候群と診断されたケースが多いのです。

2000年の豊川市主婦殺人事件・西鉄バスジャック事件、2003年の長崎男児誘拐殺人事件、2004年の佐世保小6女児同級生殺害事件、2005年の静岡女子高生タリウム毒殺未遂事件、2009年の大阪富田林市男子高校生殺害事件、2014年の佐世保女子高生殺害事件・名古屋大学女子学生殺人事件では、いずれも加害者少年はアスペルガー症候群とされています。

【参考】神戸連続児童殺傷事件から20年!少年Aが少年犯罪に残したもの

名古屋大学女子学生殺人事件の判決は?

2014年には、名古屋大学女子学生殺人事件が起きました。知人の70代女性を、女子学生が自宅アパートで殺害した少年犯罪。高校時代には地元の仙台市で、同級生2人に硫酸タリウムを飲ませています。

元名古屋大学生の殺人・殺人未遂などの罪状に対し、2017年3月24日に名古屋地方裁判所は求刑通り無期懲役の判決を言い渡しました。この裁判では検察側と弁護側の2人の医師が、元名大生に「発達障害と双極性障害」があると診断。人への共感性の欠如と「人の死」への強いこだわりを指摘しました。

この裁判の最大の争点は、「責任能力の有無」です。検察側と弁護側の医師では、精神障害の程度に差がでました。山田耕司裁判長は検察側証人の鑑定を重視。元名大生は自分の意思で犯行を実行したとして、「完全責任能力」を認定しました。

まとめ

ニュースで世間を震撼させた、少年犯罪事件の加害者の多くが発達障害だったというのは驚きです。小学生の子を持つ親の立場として、子供が加害者になりはしないかという心配が。落ち着きがない、人と違った行動をするなど気になる点があれば、専門機関に相談するとよいと思います。

神戸連続児童殺傷事件や佐世保女子高生殺害事件では、加害少年が事件の前、猫を殺して解剖していたとか。こういった予兆に大人が気づけるよう、家族や地域での見守りも必要でしょう。親の無関心や地域社会の希薄さも、事件の引き金になっている気がしました。

SNSが少年犯罪を見えにくくする?LINEで子供がネットいじめに


今やネットが当たり前の世の中となり、スマホ所有率も増えました。中学生でも半数の子がスマホを持っている時代。LINEやtwitterなどのSNSでは、簡単に人と繋がることが可能です。

うちの子はまだ小学生ですが、スマホを持たせるべきか悩んでしまいます。凶悪な少年犯罪でも、LINEがきっかけとなったからです。

川崎市中1男子生徒殺害事件の犯人が使ったLINE

2015年に、川崎市で中学1年生の男子生徒が殺害される事件が起きました。被害者の少年は13歳。加害者は18歳の少年1人と17歳の少年2人で、その殺害方法は残虐極まりないもの。少年法が4回改正された後の犯行に、世間はやり場のない怒りを覚えました。

事件後2016年2月2日、横浜地方裁判所の初公判では、殺人・傷害の罪に問われた主犯格の19歳少年に「懲役9~13年の不定期刑」、傷害致死罪に問われた18歳の無職の少年に「懲役4~6年6ヶ月の不定期刑」が確定。6月3日の横浜地裁第2回公判では、傷害致死罪に問われた19歳の元職人の少年に「懲役6~10年の不定期刑」が言い渡されました。

13歳少年の暴行のきっかけは、「LINEの返事が遅い」というもの。被害少年は加害少年らとLINEで繋がっていました。殺害の数日前には、「殺されるかもしれない」と同級生の女子生徒にLINEを。「不良グループから抜けたいと言ったら暴力が激しくなった」。被害者の少年は、友人にLINEでSOSを送っていたのです。

【参考】少年法61条で実名報道を防げるか?ネット私刑とプライバシー

LINEのいじめで自殺者が!ネットいじめの対策はあるのか?

少年犯罪というと、なにも凶悪事件だけではありません。近年増えているのが、SNSによるいじめ。少し前には、「学校裏サイト」という匿名掲示板でのいじめが問題化しました。スマホの爆発的な普及によって、最近ではLINEによるいじめが頻発しています。

2013年には熊本、2014年には青森で、いずれも女子高生がLINEによるいじめが原因で自殺。中高生の間ではLINEによる交流は日常的になっていて、些細な書き込みがきっかけでいじめが始まります。急速なITデバイスの発達に、親や学校関係者も追いつけないのが現状です。

川崎市中1男子生徒殺害事件も、「LINEの返信が遅い」ことが暴行の引き金でした。犯罪には関係ない友達同士の会話でも、LINEで返信しないことに不安を覚える中高生は多いようです。

LINEのグループトーク」は、子供同士の秘密の場所。LINEでのトークは短文が主。スタンプのやり取りもあります。返信を怠ると、「既読スルー」と受け取られていじめの対象になり、人と深く付き合うのが怖くなってしまうのです。

まとめ

30代の私たちが中高生の頃、ネットは今ほど盛んではなかった気がします。スマホも一般的ではありませんでした。今の子供たちの交友関係は、正直なとこ大人には見えにくいです。些細な書き込みがきっかけで、いじめや犯罪に繋がるLINE。

親として子供を孤立させない、ネットに依存させ過ぎない。そのためには、家庭内だけでなく地域との付き合いを大切にする必要があると感じました。