月別アーカイブ: 2018年2月

少年事件の観護措置とは

観護措置とは

少年事件が発生した場合、家庭裁判所の権限で観護措置と言われている措置が取られる場合があります。その種類は大きく分けて2種類あります。

一番よく採用されているのが、収容観護と言われている方法です。こちらの方法は少年を法務省が管轄している少年鑑別所という施設に送致し、確実に少年を収容して身柄を保全する観護措置です。

こちらの方法だと少年を確実に管理する事が可能です。そのため通常観護措置といえばこちらの方法になります。この方法を採用する事で行動の鑑別をしたり、心身の鑑別を行ったりします。その他にも確実に被疑者である少年が事件を起こしている場合には反省を促すことも少年鑑別所の大切な役割です。

こちらの方法を採用する場合注意しておくべき事があります。こちらの方法はかなりの時間を費やしてしまうのが特徴です。そのため時間を費やしてしまう事で、結果として被疑者の社会的信用や人間関係を破壊してしまう可能性が非常に高いです。そのため少年鑑別所で観護措置を行う場合には、出来るだけ短期間で終わらせる事が大切なポイントになります

調査官観護とは

次に行われているのが調査官観護と言われている方法になります。こちらの方法は被疑者である少年を少年鑑別所のような法務省の管轄する施設に送致するのではなく、自宅などで生活したまま保護観察所の調査官が調査をする方法です。

こちらの方法だと少年の人間関係や仕事関係を壊すことはまずないですが、少年鑑別所のように隔離された環境ではないので万が一被疑者である少年が反省していない場合には逃亡する可能性も否定できない方法です。

少年及び両親や親戚の同意があれば、その際に適当な児童自立支援施設や更生保護の活動をしている社会福祉団体等に、被疑者を委託することはできますが、少年鑑別所のように費用を国や地方自治体が負担するわけではないので、少年鑑別所に預けるのと比べた場合、どうしても実効性に乏しいやり方となるのがデメリットです。

少年法の位置づけ

観護措置に関しては少年法には審判を行うため必要があるときとしか規定がないのが実情です。実際には、家庭裁判所ねの調査官や裁判官が詳しく調査をする必要があると認めた場合に行われるのが実情といえます。

こちらの措置の期間ですが、法律には2週間という定めがあり、さらに例外規定として法律の条文には特に継続の必要があるときに1回に限り更新することができるとの記載もあります。

しかし実情はほとんどの少年事件で例外規定が適応されており、実質は4週間観護措置が取られています。なお一定の要件を満たす場合にはさらに4週間の延長が認められる場合があります。

その場合とは死刑や無期懲役などが適応される可能性が高い事件を起こした場合です。そのようなパターンだとほぼ100パーセントの確率で最大限こちらの措置が適応されるのが特徴です。

この措置は事件が解決した場合にはすぐに取り消しをしなければいけないと法律に記載されています。そのため警察や検察が真犯人を検挙し起訴した場合には速やかに決定が解除されます。また弁護士や家族が真犯人を見つけた場合でも全く同じです。

通常こちらの措置は検察官が裁判官に対して依頼して行われるます。しかし検察官も間違う事がありますが、被疑者だけではどうしようもありません。そこで被疑者にとって大きな力になるのが弁護人と言われている弁護士になります。弁護士は法律で依頼人の権利を守ったり、依頼人の意向に沿った活動をかしなければいけないと定められ法律家です。

そのため少年鑑別所に入った場合でも弁護士だけは被疑者と接見する事が法律で認められています。弁護士は事件の事実を認めた場合には反省を促し、検察官や裁判官を通じて被害者との示談交渉などを行っていくのが特徴です。

被疑者が罪を認めない場合や警察や検察の捜査に不備が認められる場合には、再捜査を依頼したり自らが捜査をしたりして、無実を証明するような活動を行います。そしてその結果を警察・検察などの捜査機関や、裁判官に直接伝えて、こちらの措置を解除するように強力に働きかけます。

こちらの措置に異議がある場合には、裁判官に対して異議申し立てを行う事が可能です。その際には弁護士が申し立て書を作成するのが有効なのには間違いないです。

さらに言えば学校などで普段どのような活動をしていたかを記載したり、両親からの陳述などを記載します。本人の反省の意思を記載した陳述書や働いている人だと、勤務先での仕事の様子を記載した書類を、裁判官や検察官に提出するのも有効な方法です。仮に異議申し立てが認められない場合には高裁や最高裁に公告や特別抗告する事も法律で認められているのも特徴になります。

事件によっては共犯者がいる場合もあります。そのような場合には、弁護士としては共犯者もこちらの措置を取らないように働きかけたり、取られている場合にはまとめて解除してもらうように働きかけていくのも仕事です。

少年事件の少年付添人とは

少年事件特有のしくみ

満20歳未満の少年が事件を起こした場合は、刑事事件で成人が受けることになる刑罰や処罰と違い主な目的は更生です。少年事件は、年齢ごとにさらに区分されています。

少年事件の特徴は、成人が受ける刑事事件のように罰則を与えることを主目的にしてはいません。厳しく罰するのではなく、更生させ社会復帰を目指す内容になっているのが特徴です。

更生させ社会復帰を目的としているため、付添人がその手伝いなどをしていきます。少年に対して付添人活動を行えるのは、弁護士だけではなく両親などの保護者や在籍している学校の先生や保護司など様々です。

家庭裁判所に送致されると、少年やその保護者は付添人を選択することができます。成人による事件では起訴される前に弁護士が選任され、起訴された後も弁護活動を続けることが少なくありません。少年による事件の場合は、起訴前の段階で弁護人を選任できます

しかし、家庭裁判所に送致されると弁護人の効力がなくなるため、改めて送致後に付添人を選ばなければなりません。少年の付添人になるためには特別な資格などは必要なく、保護者や学校の先生などもなることが可能です。

誰でもなることができますが、弁護士資格を所持していない場合は裁判所の許可を得る必要があります。許可を出すのは裁判所ですが、選任できるのは事件を起こした少年やその保護者なので注意が必要です。保護者や医師など特別な資格を所持していなくてもなることができますが、更生し社会復帰を目的とした重要な役割を持ち合わせています。

少年犯罪に詳しく、法律などに対して豊富な知識が必要です。犯罪の中でも自白事件などの場合では、付添人には弁護士と同じような働きを必要とされてきます。保護者や事件の調査官などと一緒に、更生することができる環境づくりが必要です。

そのため、多くの付添人は弁護士が行っており全体の9割以上を占めています。付添人には2種類あり私撰と国選があります。私撰は私人が付けたもので、少年やその保護者の選任によるものです。保護者は、少年の意志には関わらず選任することが可能です。

保護者によって選任された場合は、少年側から付添人を解任することはできません。国選とは、裁判所が選任した付添人のことです。

国選付添人と私選付添人

国選付添人が選任されるのは次のような場合です。検察官が担当することが決定した事件で、弁護士が付いていない場合は国選が選任されます。少年が故意に相手を死亡させ死刑や懲役2年以上や禁固などに相当する事件で、弁護士による付添人がいない場合も同様です。

この場合は、家庭裁判所が弁護士による付添人が必要と判断されなければいけません。裁判を被害者が傍聴することができる場合も同様です。少年事件における付添人活動の目的は、処罰を与えるのではなく更生を目的としています。

少年の健全な心や体の育成や歪んでしまている性格などの矯正をし、同じような事件を2度と起こさせないために必要な措置を取っていきます。付添人活動の初期段階は、少年の拘留などに対する準抗告や異議の申し立てです。

身柄を拘束されている少年は、長期間拘留されたり鑑別所などに送致されてしまうと学校などを休む必要がでてきてしまいます。身柄を拘束した警察などからも学校などに連絡をされる可能性も高くなり、少年が退学などの処分を受けることが少なくありません。

学校などから退学処分を受けてしまうと更生させることが難しくなります。少年の社会復帰などのためにも、拘束されている身柄を早期に解放させることが必要です。

付添人に選任された人は、調査官と面談することができます。調査官からの少年に対する意見は、裁判官の判決に大きな影響を与えることが多いのが特徴です

裁判官の判決には調査官からの意見が重要視されるので、付添人は面談で少年に対する処分の意見交換をする必要があります。このように少年事件では、付添人活動が非常に重要です。

そのため、付添人には様々な権限が与えられています。事件を起こした少年の審判へ出席することも、付添人の権限の一つです。裁判記録や事件の証拠品などを、付添人は閲覧することができます。

身柄を拘束され少年鑑別所などに収容された場合、少年と面会する時に立会人の必要がありません。家庭裁判所などに送致され審判が開かれた場合、証拠を調べるための手続きに立ち会うことができたり鑑定人や証人などに対する尋問を行うことができます。

また、少年審判へ意見を陳述することや証拠調べ等に対する申し出などや、決定された保護処分などへ抗告できるのも付添人の権限です。

私撰と国選は、どちらがよいのかは判断すること難しいことになります。国選のメリットは、必要となる費用を国が出してくれる点です。私撰は、自分たちの判断で選任することができるのが大きなメリットになります。

このように、少年事件では付添人活動が重要な役割を担っているのが特徴です。

 

少年事件の意見書の書き方

意見書とは

少年事件の場合、逮捕された後には警察署の拘留施設や鑑別所に拘束されて、その後は家庭裁判所に装置されます。鑑別所に拘束されている間は心の安定を図りながら身体を拘束されることになり、それぞれの様子を見守るための大事な期間とされています。

監護措置の後には審判を受けますが、審判には少年院送致や保護観察、不処分があります。保護観察というのは少年院などの施設には入らずに社会生活を送りながら指導監督を受ける処分を指します。他にも、審判を受ける前に一定期間社会の中で生活してもらって、その様子を見ながら最終的な判断をする試験観察という処分が取られることもあります。

審判の結果を出す際にもっとも大きく関与するのは非行の内容の重さだと思われがちですが、実はそれぞれの持つ個性や置かれている状況が大きく影響しますので、この辺りが少年事件では気をつけたいポイントです。

個性や環境によってどのような処分を下されるのが将来には良いのかを考えながら判断されることになり、その詳細を調べるのが家庭裁判所調査官です。調査官は、少年から直接、あるいは両親の話を聞いたり、通っていた学校での様子を調べる必要がありますが、一般的な調査では分からないことが多いのも事実です。

そこで、少年の付添人が調査官には見えない部分を調査して欲しいと要求されることになり、それを審判を下す裁判官に伝えます。この調査では、調査官では目の届かない範囲まで調べることが求められており、深く広く調べることで少年の本当の個性や置かれている環境が見えてきます。

審判の前に調査官は裁判官に意見書を提出し、審判の前に少年に会うことのない裁判官は意見書に記載されていることを参考にして方向性を決めていきますので、その内容が非常に重要になります。

ですから、書き方のポイントを押さえて理想的な処分が下されるように内容を考えなければなりません。ただし、必ずこのように書かなければならないという明確な決まりというのは存在しませんので基本的に書く内容は自由ですし、出すか出さないかも自由です。

一般的な書き方としては、きちんと項目に分けて記載していきます。まずは事件を起こした後に少年がどのようなことを考えて反省しているのかを明確にすべきであり、反省の状況についてはできるだけ詳しく記しておく必要があります

次にその事件をなぜ起こしてしまったのかの原因を追及し、具体的にどのような要因が思い当たるのかを自分なりに分析します。そして、二度と同じような過ちを起こさないようにするためには何が必要なのかを記します。

ただ単に反省しているとはいっても、それがどの程度であるのかは周囲からはとても分かりにくいことですし、口だけの反省なら誰でも言えるという風に捉えられてしまうことも多いので、しっかりと原因の追求をすることも忘れてはいけません。

更正環境は大事

反省している様子や原因を伝え、今後はどのような環境が望ましいのかを明確にした後は、少年の更正環境について触れていきます。

少年の両親やその他の家族などとの関わり方に原因となるものが見られる場合、今後はどのように変えることで少年のフォローをしていくのかを伝えるようにします。

ここで大事になるのは、少年が更生できるように周りのいる人たちが一丸となってフォローをするという姿勢を明確に表すことであり、原因となる部分についても取り除くことができることを示さなければなりません。

起こしてしまった事件の内容によってその後の書き方は違ってきますが、誰か被害者がいるような類のものでなければ更正環境が整っていることをアピールすることで基本的な流れは押さえることができます。前科や前歴、補導歴がなければそれもプラスの材料となりますので、最後に付け加えておくと良いようです。

両親や家族のもとでしっかりと更正できることが期待できるのなら、少年院送致にならないことも多々あります。誰か被害者がいるようなケースでは、その被害者に対して本当に申し訳ないという気持ちを持たなければなりませんので、少年なりに謝罪の気持ちを言葉にすることが大切です。

少年事件での監護措置とは、一般的な拘留と同じような取り扱いですが、身体拘束期間は10日間となっていて期間の延長は認められていません。

監護措置が取られる理由としては、逃げてしまう可能性があることや犯罪の証拠を隠滅する可能性があることが挙げられます。本人が対処する場合にはこれらのリスクがないことを伝えますが、弁護士に依頼する場合には弁護士が検察官に対して拘留請求をしないように働きかけます

それでも拘留請求をされてしまったら裁判官に拘留を認めさせないようにサポートを行っていくことになり、少年と接見をして事情をよく聞いた上で意見書を作成して、逃げたり証拠隠滅を図る恐れがないことを根気良く伝えます。

この意見書をもとに裁判官と面接をして法律上拘留すべきでないことを説明するのが弁護士の業務内容です。

少年事件と家庭裁判所

少年事件の三つの種類

家庭裁判所が担当する少年事件は大きく3つに分けられます。最も広く知られているのは、14歳から20歳未満の未成年に関する事件です。次は法令に抵触しているけどその時点では14歳未満であるため、犯罪を犯した扱いにならない事件になります。

未成年だけど不良と見なされる行為をしており、将来的に犯罪者になることが疑われる人物の事件が3つ目です。そのような区分を知っておくだけでなく、具体的な流れを把握しておくことも大切です。

まず犯罪を犯したことを疑われる少年は家庭裁判所に送られます。少年の身柄を拘束している間は、検察官が事件について調査を実施します。そのうえで検察官は事件についての書類を作成して送付しなければなりません。成人の場合と違って検察官の判断で不起訴にすることは認められていないです。そのため犯罪の可能性がある場合は送付することが義務付けられています。

家庭裁判所では、どのような処分を下すのかを決定するために審判を行うことになります。審判は刑事裁判の代わりになるものですが、成人を対象としたものと違う点が多いです。

特にプライバシーがしっかり守られていることが大きな特徴です。基本的に法定は非公開で実施されるので、関係のない人やマスコミなどが内容を知ることはありません。

審判に参加が許されている人物は非常に限定的です。裁判官や書記官が出席できるのは当然ですが、その他に参加できる人物は関係者に限られています。関係者に該当するのは少年やその両親、担当する弁護士などです。

ただし被害者が傍聴することを望む場合は出席を許される場合もあります。その他にも裁判官が許した場合に限って、いろいろな立場の人が出席することもありえます。どの場合であっても、興味本位で出席を望む人が許可されることはありません。

審判は60分前後で終わるケースが一般的です。その中で行われるやり取りは、基本的には通常の裁判と大差ありません。まず生年月日や名前などを質問していき、本人であることをチェックします。続けて黙秘権を行使しても構わないことを伝えるのが最初のステップです。

それ以降は少年ということを考慮した内容になっています。これから話し合う内容の概要を少年に伝えて、それに誤りがないことを確認してから本格的にスタートします

続けて裁判官は少年に事件の内容について質問してきますが、それに至った経緯や原因などを重視します。そのうえで心情について尋ねることも多くあります。少年に質問するのはもちろんですが、両親にも心情や考えを尋ねることが少なくありません。

この後の更生の仕方などに言及することも多く、過去だけでなく未来にも重点を置いているのが大きなポイントです。弁護士が参加している場合は、そちらかも質問を投げかけるケースも見られます。

最終的には通常の裁判と同様に弁護士が考えを述べて、それを聞いたうえで裁判官が最終的な決定を告げます。

成人の裁判との差

このような流れだけを見ると、成人の裁判とほとんど差がありません。しかし裁判官の側には大きな違いが存在します。それは事前の情報を仕入れておくことです。

成人の裁判では基本的には事前の情報を持たずに裁判に臨みます。それに対して少年事件の審判では、鑑別所から受け取った報告書なども読んでから出席します。

その際に処分についても考えておくのが一般的ですが、あくまでも結論は弁護士や少年の意見を考慮したものになります。鑑別所とはいろいろな検査を行える施設であり、科学技術を用いた検証を行える設備などを備えているのが特徴です。

最終的に下される決定にはいくつかのパターンがあります。たとえば非行を行った事実がないと判断された場合は不処分という結論になります。成人の裁判でいうと無罪放免に該当するものです。この場合は、今後もこれまで通り生活を送ることができます。

更生の指導を受ける場合に下される決定として多いのは保護観察です。保護観察で済んだ場合は、施設に送られることはありません。すなわち自宅で日常生活を送ることが許可されている状態です。

ただし定期的に更生の専門家と会って指導を受ける必要があります。人によって期間は異なりますが、一般的には1年ほどで済むことが多いです。不処分と保護観察と比べて、少年院へ送られるパターンは深刻と考えられます。

自宅で生活しているだけでは更生できないと判断されるレベルの場合にとられる措置です。少年院に収容された少年は、日常生活への復帰を目指して矯正のための教育を受けることになります。さらに、これより重い結論として検察官に送り返すパターンが挙げられます。

非常に重大な罪を犯したことが明らかなケースや、審判の間に成人になった場合などに適用されることが多いです。たとえば悪意を持って相手を死亡させたような事件の場合はこのパターンに該当すると考えられます。今後は成人の裁判と同じ流れで進んでいきます。

少年事件の全件送致主義とは

全件送致主義とは?

一般的に成人が犯罪を犯してしまった場合、その犯罪の大きさや被害者との示談の成立具合、もしくは加害者のこれまでの様々な経歴等により、不起訴にすると言う事も少なくありません。

これは加害者が今後の社会生活を営む上で十分な反省態度を示している場合や犯罪の重要性について深く理解をしている場合など、刑事事件として起訴をすることで加害者のその後の精神状態や生活態度などに悪影響を及ぼしてしまうことも考えられるためですが、加害者が少年の場合には被害者との示談が成立していたり、事件が軽微なものであったとしても全て家庭裁判所に送致すると言う決まりになっています。

これを少年事件の全件送致主義と言います。

少年事件において全件送致が行われている理由は、未成年者の健全な育成を促進すると言う基本的な考えに基づいているものです。

未成年者は精神状態が成熟しておらず、軽微な事件であってもその重大性を自らの経験から認識することが非常に難しいと考えられる面があるほか、表面的には小さな犯罪であっても本人の内側に大きな事件の元となる考え方が含有されていることが少なくないと考えられているため、本人の考え方の基本的な部分を十分に調査し、様々な問題点を時間をかけて矯正することで社会生活を正常に営むにふさわしい人間となるように教育を行うと言う考え方に基づいています

そのため成人の場合には不起訴となる場合であっても、家庭裁判所に送致され相応の処分を受けることになるのが一般的です。

少年事件の全件送致主義の考え方の中には、社会全体として問題のある少年を更生させ常識的に社会生活を営むことができるようにすると言う基本的考え方があります。

社会においては子供の教育は親の責任と言う大前提がありますが、親の教育が行き届かない場合も現代の複雑な社会の中には往々にして発生し、そのために子供の基本的な考え方が一般的な社会の考え方から逸脱してしまうことも少なくありません。

この場合には子供の根本的な考え方が犯罪を招く要因となる危険性があり、表面化した軽微な事件だけを見てその更生の必要性の有無を判断することが難しいと考えられている面があるため、犯罪を犯したすべての少年に対して原則として起訴を行い、少年院においてその考え方について時間をかけて調査及び構成を行うと言うのが少年事件における全件送致主義の考え方となります。

ただしこれには例外が存在しており、道路交通法にぼける交通違反等は全件送致主義の対象とはなっていません。その理由は道路交通法がその他の犯罪とは異なりあくまでも法律を守らなかったと言う点に注目されていることによるものです。

そのため道路交通法においては通常の成人と同じようにその処分が決められることになります。また交通事故において被害者との示談が成立した場合については不起訴となるケースも多いため、交通事故等における場合についても例外として考えられています。

複雑化する少年事件

近年ではこの全件送致主義について問題視する人も増えています。従来に比べ少年犯罪が複雑化し、犯罪が凶悪化していることや少年自身の成熟度合いが従来に比べ高くなっていることから成人と同じように処罰をするべきと言う考え方も非常に大きくなっており、その反面軽微な犯罪について成人と同様に不起訴とする事例を増やすべきと考えられる面もあります。

実際に小さな事件においては簡易的に送致すると言う形で処理をされた場合には家庭裁判所に送致されることになりますが具体的な調査等は行われずに本人はそのまま自宅に帰されると言う形になるのが一般的です。

そのためこれは事実上の不起訴と同じ扱いとなり、本人が時間的に拘束されることがないためその後の日常生活も通常通り行うことが出来るようになるのが大きな特徴となっています

少年事件において近年非常に問題となっているのが少年の知識の成熟度合いによる犯罪の凶悪化です。従来の少年事件においては考えられなかった様々な事件が発生しており、またこれらについて衝動的な行動ではなく綿密に計画された事件が増えているのも非常に大きな社会問題となっています。

このような事件について従来と同じ様に全件送致主義を適用していたのでは犯罪の抑止につながらないと言う考え方もあり、一定の基準を設けて判断することが必要であると考える人も少なくありません。

少年の犯罪に対する対応はその法律が制定されてから非常に長い期間が経過していることや、その間に日本人の文化や生活様式が大きく変わったこと、及び様々な情報を子供たちが簡単に手に入れることができるようになったことから大きな転機を迎えていると言っても過言ではありません。

その中で犯罪を犯した子供たちをどのレベルまで保護することが必要なのかといった点については今後も大きな議論をしなければいけない点として重要視されており、その結果により子供の犯罪に対する対応を見直さなければいけない時期にきていると考えられます。