月別アーカイブ: 2017年11月

少年犯罪でも、成人と同じように賠償請求できるのか?

少年犯罪の報道を見ていると、ふと疑問に思うことがあります。成人であれば、罪を犯せば民事で損害賠償請求をすることができます。しかし、加害者が未成年であった場合、はどうなのでしょうか。

少年は仕事をしていないので経済力はありません。少年院や刑務所に行けば尚更賠償をすることは出来なくなります。果たして罪を犯したからと言って、成人と同じように損害賠償請求ができるのか…今回はその点について調べてみました。

1.少年犯罪と損害賠償請求の関係は?

少年犯罪の損害賠償について過去のケースを見ると、★損害賠償請求することは可能☆とのことです。しかし、責任能力を持たない未成年が第三者に対して損害を与えたときには、本人に損害賠償責任はないとのことです(民法712条) 。しかし、親権者には監督責任があるので、責任能力のない未成年が犯罪を犯したときには、親が損害賠償責任を負わなくてはならないようです(民法714条1項) 。

責任能力がない年齢というのは、大体12歳くらいまでとのことで、★13歳以上☆の子供の犯罪の場合は★原則本人に賠償責任☆が発生するとのことです。

うちの子供はまだ小学生なので、子供が他所の人にご迷惑をかけた場合は私に賠償責任が発生することになりますね。

しかし、これもケースバイケースらしく、13歳以上の子供の犯罪でも親が監督責任を果たすべきときに怠っていれば、親子共々損害賠償責任が発生するようです。

ただ、13歳以上は本人に賠償責任があると言っても、中学生や高校生では収入がないので、親が子供に代わって賠償金を支払っているケースが殆どとのことです。

2.少年犯罪の加害者が損害賠償金を支払わないケースが続出

次に損害賠償の支払いはきちんとされているのか…その点についても調べてみました。すると、加害者が判決通りに滞りなく賠償をしていないケースが沢山あることが分かったのです。

少年事件で未だ賠償金が支払われていない事件として有名なのは「山形マット死事件」です。これは平成5年に、山形の中学1年生がマットの中で窒息死した事件で、山形県警は傷害および監禁致死の疑いで当時の同じ学校の14歳の生徒3名を逮捕、13歳の生徒4名を補導しました。

その後、民事訴訟では仙台高裁で損害賠償計約5,760万円が確定し、それぞれに賠償命令が下りました。しかし、 事件後10年経過しても任意の支払いに応じた元生徒はいないとのことです。

賠償金の請求は10年で時効を迎えるため、時効を中断させるために元生徒4人に対し、差し押さえ手続きに入りました。また行方が分からない元生徒3人に対しても、損害賠償請求権の時効を中断する提訴に入っています。

加害者から賠償金が支払われないと、被害者が私費で提訴しなければならず、賠償金の額が大きいほど裁判費用も高くなるので、被害者の負担は決して小さくありません。

3.少年犯罪「国が賠償金を立て替える制度を」と呼びかけ

こうした現実を前に「少年犯罪被害当事者の会」では、賠償金を支払わない加害者に代わって国が賠償金を立て替えて遺族に支払い、国が加害者に請求するシステムを作ってほしいと呼びかけています。

4.まとめ

少年犯罪でも損害賠償をする責任はありますが、実際に賠償金が支払われていないケースもあることが分かりました。被害者は犯罪被害に加え、賠償金が未払いだと二重の苦しみを味わうことになります。一日も早く国による賠償金の立替払いが実現することを願ってやみません。

少年犯罪の時効は成人の場合と同じなのか?

警視庁のデータによると、近年は少年犯罪が減少傾向にあるとのことです。しかし、テレビを見ると凶悪な少年犯罪は後を絶たず、最近はインターネットを利用した非行も目立ちます。私にも小学生の子供がいるので、決して他人事ではありません。

また、犯罪方法も時代と共に多様化しており、手口も巧妙になってきているように思います。

もちろん、日本の警察の検挙率の高さは世界でもトップクラスなので、あらゆる犯罪は裁かれる運命にあると思いますが、きっと蔵入りというケースもあるのではないでしょうか。

事件が解決されず迷宮入りしたあと、一定の時間が経過すれば時効が成立しますが、少年犯罪の場合でも時効はあるのか…ふと疑問に思ったので調べてみました。

1.少年犯罪と時効の関係

刑事訴訟法の公訴時効を調べたところ、時効の適用については成人も少年も変わらないそうです。少年が犯行後の逃亡期間中に成人しても、時効に対しては特に影響はありません。

しかし、少年が犯罪を犯したときには少年院に行き、成人の場合は刑務所に行く訳で、有罪が確定したあとの行き先はそれぞれ違います。仮に少年が犯罪を犯して、逮捕されたのが成人後であった場合の扱いはどうなるのでしょうか。

例えば17歳のときに万引きをした少年が、20歳のときに発覚して捕まったケースで考えてみましょう。万引きには常習性があり罪はかなり重いと仮定します。

時効の発生は犯罪行為が終わったときから進行し、窃盗の時効は7年なので、20歳で逮捕されればまだ時効はきていきません。この場合、17歳の事件発生時点で捕まっていれば、家庭裁判所で裁かれ少年院や少年鑑別所に送られることになります。しかし20歳の時点で発覚すれば、少年法の適用ではなくなるため、刑罰を科せられる可能性が生じます。

また死刑にあたる犯罪の殺人事件などに関しては時効が撤廃されたので、犯罪を犯したのが何歳であっても時効はありません。ただし、刑罰については、18歳未満であれば緩和規定により、死刑の犯罪は無期懲役になります。もし仮に20歳以降に逮捕されたとしても、犯罪時の年齢が18歳未満であれば、死刑の緩和を適用され無期懲役になります。

また民事賠償についても公訴時効は成人と同じで、加害者を知ったときから3年、もしくは不法行為から20年が時効とされています(民法 724 条) 。

2.まとめ

少年が犯罪を犯したときの時効については成人と全く同じです。ただし成人後に捕まったとしたら、
少年法の適用を受けることはなくなります。有罪となり刑罰を科せられれば、成人後に犯罪を犯した人と同様に刑務所に入ることになります。

少年だからと言って時効も短くなるということではないので、そうした情報がもっと広まれば、少年に対する犯罪抑止力の一助になるのではないかと思います。